かねてより弊社webの「無料地図ライブラリ」コーナーでは、白地図画像を自由にお使いいただけるよう公開をしてまいりました。お陰さまで、多くのアクセスやお問い合わせをいただいています。
ただ、いずれの地図画像もA4寸法に収まるよう設計しており、最終的に紙媒体としてお使いいただく前提のものでした。今回、デジタル上でも様々に活用いただける汎用性の高い形式として「Geotiff」版の白地図データを、試験的に地域を絞って公開いたしました。
Geotiff形式の最大の特徴として、データ内部に位置情報を含んでいることが挙げられます。そのため、位置情報に基づく表示ができるwebサイトやアプリケーションに、直接読み込んで表示させたり加工したりすることができるようになっています。
例えば、国土地理院が公開している地図サイト、地理院地図は位置情報を前提に描画されるしくみなので、弊社で試験公開しているGeotiffデータを画面上にドラッグするだけで、(お持ちのハードウェアの性能や通信環境にもよりますが)数秒後には地理院地図の表示画面上に白地図画像がピタリと重なって表示されます。
地理院地図に重なった弊社公開のGeotiff画像。マウススクロールで拡大縮小できるので、世界のどの辺りに相当するかを把握するのも容易になる
これを踏まえますと、公開したGeotiff画像をWindows OSに標準搭載されている「ペイント」アプリケーションで着色したり文字を入れたり落書きしたりなど加工を施して上書きしたデータでも、地理院地図で表示させることができるようになります。
Windowsのペイントで手を加えたGeotiff画像を重ねた様子。もちろん移動や拡大縮小は同様に自由自在
上記参考事例では、水域を水色で塗りつぶした上で「フランス」の文字を置き、フランス領のコルス島と本土とを線で結ぶ加工をした画像を地理院地図上で表示させています。従来は紙出力が主な活用方法だった地図画像が、画面上でも扱うことができるようになり活用の幅が大きく広がります。地理院地図サイトは公開されていますので、授業で実際に先生がモニタに表示させたり、生徒さん自身に操作させたりすることもできます。
なお、今回公開した画像は過去にいただいた要望を踏まえ、陸部の国ごと着色がより簡単にできるよう、国境線をすべて破線ではなく実線とし、未確定国境は灰色の実線に改めています。ペイントアプリケーションで色を流し込めばワンクリックで国の色を塗り分けられます。
さらに、発展的な使い方としてはGISアプリケーションにラスター画像として読み込むことも可能です。
上記フランスの加工を施したGeotiff画像をオープンソースのソフトウェア<QGIS>で読み込み、正距円錐図法に変換したもの
四角形だったはずの画像を、GISソフトウェアの機能で瞬時に図法を変えて表現し直すことができます。
GIGAスクール構想により、義務教育へにわかに導入の進んだデジタルツール。本素材が、教育現場に何らかの寄与をもたらすことができれば幸いです。また、実際活用してみての様々なご意見・ご要望などありましたらどうぞ、遠慮なく問い合わせフォームよりお寄せください、可能な限りフィードバックの上対応してまいります。