平凡社地図出版

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  • 今年(2024年)5月下旬、取材を受けた内容が中央出版<アノニマ・スタジオ>さまより、『校正・校閲11の現場 こんなふうに読んでいる』として、12月下旬に刊行予定となりました。様々な校閲の現場を著者・牟田都子さんが訪ねた結果をまとめられたものです。弊社では原田が対応し、誌面でも紹介されておりますのでぜひお手に取ってご覧くださいませ。 <2024.12.03>
  • 10月31日、無料地図ライブラリに位置情報を内包するGeotiff形式の白地図データを、試験的に公開いたしました。ヨーロッパのみに限定していますが、ご要望があれば他地域の公開も検討いたします。 <2024.10.31>
  • 2024年5月8〜10日に東京ビッグサイトで開催された第15回EDIX東京は無事終了いたしました。弊社ブースにお越しの皆様、ありがとうございました。また、会期に合わせデジタル地図帳for schoolのサービスも公開を始めております、是非ご活用ください! <2024.05.14>
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首都名が何度も変わる国・カザフスタン

生活上、混乱しないのか?

首都名が何度も変わる国・カザフスタン

外務省は、2022年9月17日にカザフスタンの首都名がまた変わり、アスタナになったとホームページ上で明らかにしました。あえて「また」と書きたくなるくらい、カザフスタンの首都名は近年何度も変更されています。

カザフスタンは、旧ソビエト連邦が解体され分離・独立した際に誕生した国ですが、私が学生時代は教科書でも「首都はアルマ・アタ」でした。ところが、この名称はロシア語によるものであり、分離・独立後の表記としてはふさわしくないとされたのか、1993年に現地語読みに則した「アルマトイ」に改められました。

カザフスタン全図。変わった首都名を羅列すると数が多くて何が何だかよく分からない
カザフスタン全図。変わった首都名を羅列すると数が多くて何が何だかよく分からない

カザフスタンは、ロシアほどではないにしても旧ソビエト諸国の中ではかなり面積の広い国であることが、地図からも分かります。ただ、当初首都とされたその「アルマトイ」は国土全体から見ると南東端であり、かなり片寄った場所に位置しています。そのためか、1997年には中央部よりやや北の「アクモラ」へ首都を移転します、いわゆる「遷都」です。場所が変わったのですから、首都名が変わるのはまぁ、うなずけます。

しかし、その翌年1998年、アクモラはカザフ語で首都を意味する「アスタナ」に名称を変更します。これで、建国以来の名称変更は3度、4つ目の首都名ということになってしまいました。首都名変更劇はこれで幕引きにはなりません。2019年、アルマトイからアクモラに首都を移転した大統領にちなみ、4度目の首都変更、「ヌルスルタン」に変わってしまったのです。

いったい何度、首都名を変えるつもりなんだと思っていたところ、また2022年9月に変更…人名由来が、今になって都合が悪くなったのでしょうか。名前が元に戻ったとは言え、首都名の変更回数は実に5回にものぼり、日本人の感覚では「明らかに変え過ぎ」に映ります。これほど首都が変わっている国は、他に例がありません。確かに、普段生活する上で「日本の首都」を意識することはあまりないかもしれませんが、それは変わらぬ決まり切った事柄だからこそであって、こんなにも首都が次々名前を変えていてカザフスタン国内は混乱しないのか、本当に不思議です。

ややこしいのは、首都ではなくなった「アルマトイ」も今は、さらに表記が改められて「アルマティ」と表すのが主流になっていることです。地名表記の変遷が複雑過ぎて、元はどうだったか、元の地名はどう表記していたか、たぐり寄せることがどんどん難しくなっています。

地図の中身は、必ずどこかが変わってゆきます。それだけに、その時々、時代時代を切り取ったものの断片とも言え、地図の積み重ね・引き継ぎ・保存といった分野も、今後重要度が増していく可能性を秘めているなぁと実感するのです。

地図往来

地図制作の現場体験から「地図」の魅力を多方面にわたり語って参ります。地図はおもに私達の生活する地球上の時空間の仕組みを図化するものです。従って、自然、人文現象等、森羅万象を対象といたします。縮尺の概念が絡む世界ですが、大変広域に、また奥深く・・・お楽しみに!

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