平凡社地図出版

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  • 今年(2024年)5月下旬、取材を受けた内容が中央出版<アノニマ・スタジオ>さまより、『校正・校閲11の現場 こんなふうに読んでいる』として、12月下旬に刊行予定となりました。様々な校閲の現場を著者・牟田都子さんが訪ねた結果をまとめられたものです。弊社では原田が対応し、誌面でも紹介されておりますのでぜひお手に取ってご覧くださいませ。 <2024.12.03>
  • 10月31日、無料地図ライブラリに位置情報を内包するGeotiff形式の白地図データを、試験的に公開いたしました。ヨーロッパのみに限定していますが、ご要望があれば他地域の公開も検討いたします。 <2024.10.31>
  • 2024年5月8〜10日に東京ビッグサイトで開催された第15回EDIX東京は無事終了いたしました。弊社ブースにお越しの皆様、ありがとうございました。また、会期に合わせデジタル地図帳for schoolのサービスも公開を始めております、是非ご活用ください! <2024.05.14>
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北陸新幹線延伸、開業日が決まりました

ルートの特徴を地図屋が概説します

北陸新幹線延伸、開業日が決まりました

JR西日本は2023年8月30日、かねてより建設中の北陸新幹線延伸部(金沢〜敦賀間)について、これまで2024年春としていた開業時期を具体的に「2024年3月16日」に決定したと発表しました。これに伴い事実上、2024年春の全国一斉JRダイヤ改正もこの日になることが内定したと見ていいでしょう。

延伸開業後のダイヤや運行形態については、交通系情報サイトやファンの個人サイトなどで数多く言及されているので、ここではあえてそれらについて考察はしません。ただ、新幹線の開業自体は高速道路が少うし伸びるのに比べても圧倒的にニュースバリューが高く、世間一般への影響もきわめて大きいため、延伸区間がどんなものか、ルートにどのような特徴があるのかなどについて、地図屋の視点で概説します。

GISデータベース上、仮に開業したものとして作図した図面

取り急ぎ、弊社で総合的な管理を始めようとしている地図帳由来のGISデータベースには、Googleマップの衛星写真表示を参照しつつGISアプリケーションでは地理院地図のタイルを下敷きにして、空中写真判読の技術によってルート線を極力忠実にプロットしました。もっとも、弊社の地図帳は縮尺レベルにふさわしい編集(専門用語で総描と称します)を加えており多少なりともデータには誇張と省略が含まれているので、周囲との位置関係が乱れないような作図技術も必要です。右上に金沢、下やや左には延伸区間終端の敦賀が見えておりその間をうねるように青と灰色の線が交互に続いています、これが今回延伸される北陸新幹線(灰色はトンネル部)です。

地図上、位置関係で特筆すべきは高速道路との絡まり具合に明瞭な差が認められる点です。金沢を出てしばらく、石川県内はほぼ海側に北陸自動車道、山側に新幹線という状況に変化がありません。裏返すと、石川県内は在来線(新幹線開業後はIRいしかわ鉄道に移管予定)に比較的併走する区間が多く、駅もすべて在来線への併設になっています。ただ随所で線形の都合上在来線から逸れる区間はあり、例えば木場潟は在来線よりもかなり近いところを通る分、よく眺められそうなことが読み取れます。

ところが、越境して福井県に突入したのを機に状況が一変、高速道路は内陸山側に引っ込むようになり新幹線が逆に海側に張り出します。ただ、引き続きどちらも平野を志向してルート取りしているため、福井県に入ると地形が急峻になる海沿いを走ることは、どちらもなくなります。在来線(福井県内はハピラインふくいへ移管予定)への寄り添いは石川県内ほど忠実でなくなり、越前たけふのように在来線と乗り換えできない単独の駅も出現します。さらに、福井平野が狭まる南部へ進むとその分ルート取りの自由度が失われて高速と新幹線はお互い絡み合う回数が増え、最後に新幹線が貫く新北陸トンネルは高速道路を串刺し状態にして敦賀に達しています。

つまり、車窓を楽しみたい派には金沢からの南下よりも、敦賀からの北上の方がおすすめとなります。そりゃそうですよね、最後延々とトンネルの暗闇で、しかもその途中から速度を落とし始め、視界が開けたと思ったらもう終点…では呆気なく、進むにつれて視界が開けていく北上の方に分があります。今回の地図データはあくまでも整備の一環・予定線構築のために作業しただけのため、下地に敷いてしかるべき地形の高低は表示していませんが、実際の地図帳紙面ではこの辺りの事情がより分かりやすくビジュアルに見えてくるはずです、改訂時の北陸周辺図がどんな仕上がりになるか、ぜひお楽しみに!

地図往来

地図制作の現場体験から「地図」の魅力を多方面にわたり語って参ります。地図はおもに私達の生活する地球上の時空間の仕組みを図化するものです。従って、自然、人文現象等、森羅万象を対象といたします。縮尺の概念が絡む世界ですが、大変広域に、また奥深く・・・お楽しみに!

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